〜 映画「サンゴレンジャー」いよいよ公開 〜

映画「サンゴレンジャー」がいよいよ6月8日から公開されます。この映画は、石垣島を舞台に環境庁自然保護官(通称レンジャー)が開発から珊瑚を守るために奮闘するハートフルコメディーです。ロードショーに先立ち、立正大学大学院地球環境科学研究科環境システム学選考修士課程の高橋かおりさんと大久保悠花さんに試写を見た感想文を寄せてもらいました。

6月8日より沖縄・スターシアターズ先行ロードショー
 6月15日東京・渋谷HUMAXシネマ、お台場シネマメディアージュ他全国ロードショー(配給 マーブルフィルム)
  http://sangoranger.jp/
 
Copyright (C) 2013 サンゴレンジャー製作委員会
Copyright (C) 2013 サンゴレンジャー製作委員会
 
 

 
映画「サンゴレンジャー」を鑑賞して
 

 映画「サンゴレンジャー」を鑑賞して、見る者の目を奪うような貴重な海の中の映像に感動した。内容はわかりやすくも考えさせられる、とっても楽しい映画であった。

 特に考えさせられた問題は、サンゴを守り次世代へ自然を残すのか、それとも橋の建設をし、島の発展による豊かな暮らしを手に入れるのかという極めて難しい問題である。このような開発と自然保護の問題は身近でよく知られている。私にはどちらが正解ということは判断できないが、どちらかというと自然を守りたいという気持ちが強い。そして、その判断を正確にするには自然を知るということが前提であると考える。

 我々環境システム学専攻の院生の研究には、自然を守るために科学的にアプローチすることがある。例えば、絶滅危惧種であるカワラナデシコを保全するために、火入れという管理の有用性を生育分布状態から見い出し、論文として発表するというような研究活動である。

本作品の主人公矢島も自然保護官として、サンゴを保全するために石垣島中自転車で駆け巡ってデータを集めていた。ただデータを集めるだけではなく、石垣島のサンゴを守りたいという一心から、海に浮かぶ人に由来する廃棄物を拾い上げたり、人柄上島民達と親しくなる等周囲にもその情熱が伝わっていたように感じる。最後には島民を納得させるために子供たちをまじえて演説をし、橋の建設を阻止することができた。

 自然を守ることは次世代に自然の美しさや尊さを伝える事であると本作品では強調していたように思う。加えて、海の中に様々な生き物がいるというように自然は我々だけのものではなく、そこには多くの生物の営みがあるということが理解できる内容であっただろう。しかし、現実には我々が無意識に自然を壊している。このような全国に発信される映画を通して、自然の尊さを知ってもらえればとっても良いことだと感じる。次作は、自然は我々人類のものでは無いということを強調した今回のような素敵な映画になればと考える。それと同時に、環境システム学専攻の院生の一人として矢島のような情熱を持ち、花粉分析という手法で自然の歴史を解明しながら、まずは自分が自然を知るということに積極的になりたい。

 最後にこの映画を観られてとっても良かった、なんだか元気がでたということを伝えておきたい。

環境変遷学研究室

高橋 かおり

 
 

「サンゴレンジャー」を見て、自然の大切さはもちろん伝わってきましたが、それ以上に「今、自分に何ができるか」ということを考えさせられる映画でした。

映画のなかでは様々な立場の人たちが、石垣島の自然を守ろうとしていました。環境を守りたいという思いだけではなく、本気で問題に正面から向き合おうとする登場人物たちの姿・心に感動しました。

 私は、環境を学ぶ大学院生です。今まで様々な環境問題や地球環境について学んできました。石垣島はサンゴ礁の破壊という環境問題を抱えていますが、同じような問題を抱えている国や地域は少なくないと思います。映画では、現地の住民とレンジャーの自然を守りたいという思いは一緒でしたが、その雰囲気や気持ちには大きく違っており、環境問題と人間生活を考える上ではとても重要な視点だと思いました。なぜなら、経済的な問題が関係してくるからです。経済的に厳しい地域なら、経済を発展させ、人々の生活を豊かにしようとするはずです。経済発展と環境の保護・管理していくことを両立させるには費用がかかると思います。

私は実際に沙漠化が進行している地域に行って、植林などを行った経験があります。そこでは環境の保護・管理を行うことも重要なことですが、それを「持続」することがさらに大切だということを学びました。さらに保護を行うのは主に地元の住民であったため、毎日できることでなくてはなりません。

 本映画にあったように、現地の人が自然を守るために地元の海をきれいにしている姿は、私にとってとても印象的でした。環境を管理し、守ることは実際にはとても難しいことだと思います。環境を守るためには立場が違う人々が環境問題に向き合って、協力しあう事がとても大切なのだと感じました。

 今、私にはできることは限られますが、日々の生活に無駄がないかなど、生活を見直すことはすぐにできます。少しずつですが自分のできることを毎日続けていきたいと思います。

固体地球化学研究室

大久保悠花