映画「サンゴレンジャー」を鑑賞して、見る者の目を奪うような貴重な海の中の映像に感動した。内容はわかりやすくも考えさせられる、とっても楽しい映画であった。
特に考えさせられた問題は、サンゴを守り次世代へ自然を残すのか、それとも橋の建設をし、島の発展による豊かな暮らしを手に入れるのかという極めて難しい問題である。このような開発と自然保護の問題は身近でよく知られている。私にはどちらが正解ということは判断できないが、どちらかというと自然を守りたいという気持ちが強い。そして、その判断を正確にするには自然を知るということが前提であると考える。
我々環境システム学専攻の院生の研究には、自然を守るために科学的にアプローチすることがある。例えば、絶滅危惧種であるカワラナデシコを保全するために、火入れという管理の有用性を生育分布状態から見い出し、論文として発表するというような研究活動である。
本作品の主人公矢島も自然保護官として、サンゴを保全するために石垣島中自転車で駆け巡ってデータを集めていた。ただデータを集めるだけではなく、石垣島のサンゴを守りたいという一心から、海に浮かぶ人に由来する廃棄物を拾い上げたり、人柄上島民達と親しくなる等周囲にもその情熱が伝わっていたように感じる。最後には島民を納得させるために子供たちをまじえて演説をし、橋の建設を阻止することができた。
自然を守ることは次世代に自然の美しさや尊さを伝える事であると本作品では強調していたように思う。加えて、海の中に様々な生き物がいるというように自然は我々だけのものではなく、そこには多くの生物の営みがあるということが理解できる内容であっただろう。しかし、現実には我々が無意識に自然を壊している。このような全国に発信される映画を通して、自然の尊さを知ってもらえればとっても良いことだと感じる。次作は、自然は我々人類のものでは無いということを強調した今回のような素敵な映画になればと考える。それと同時に、環境システム学専攻の院生の一人として矢島のような情熱を持ち、花粉分析という手法で自然の歴史を解明しながら、まずは自分が自然を知るということに積極的になりたい。
最後にこの映画を観られてとっても良かった、なんだか元気がでたということを伝えておきたい。
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