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研究教育設備紹介

年代測定施設

14C年代測定装置

本学では,放射性炭素(14C),トリチウム(3H)を用いた年代測定ができる施設を有しています.遺跡や地層内から採取した木片などが,今から何年くらい前のものなのかを推定することができます.ベンゼン合成室とシンチレーションカウンター室がありますが,前者は試料の前処理を行う部屋,後者はシンチレーションカウンターと呼ばれる放射線測定器が設置された部屋です.14C年代測定装置は,主にベンゼン合成装置と液体シンチレーション計数装置からなっています.本装置により数100 年から約5万年前の間に生じた火山噴火,地震などの年代を求めることができます.また,考古遺跡の年代も求められます.

測定原理:放射性炭素14Cは大気上層部で宇宙線との核反応によって定常的に生成されています.すなわち,大気中には一定の割合で存在しています.この14Cは大気中で CO2として存在し,同化作用により植物体に固定され,植物を食べる動物体にも含まれます.生きている生物体中の14C存在比(14C:12Cは)は大気中と同一です.生物の死後生物遺骸中に残っている14C存在比は, 14C半減期5730年に従って減少します.生物遺骸中に残っている14C濃度を知り,大気中14C存在比と比較することにより生物の死んだ時(年代)を知ることができます.合成されたベンゼンにシンチレーター(蛍光剤)を混ぜると,14Cから放出されるβ線により,シンチレーターが発光します.この光はきわめて微弱なので,光電子増倍管で増幅し,電流として発光信号を取り出し,この電流パルスを計数する装置です.環境中に存在する放射線による発光を防ぐために試料及び光電子増倍管は鉛で遮蔽されています.本装置ではH(トリチウム)から放出されるβ線の測定も可能です.

試料概要:木片,炭化木,腐葉土,泥炭,貝殻,骨等生物遺骸.炭素にして数gが必要です.

ルミネッセンス測定機

鉱物が地中に埋没すると,常時放射線を浴び続け(年間線量)その放射線は鉱物内に蓄積します(蓄積線量).この鉱物を光や熱で励起すると蓄積線量に応じて鉱物自身が発光します(ルミネッセンス).この現象を利用して,蓄積線量/年間線量=埋没年代を求めることができます.一般的に年代測定の難しい数10万年より若い地層の年代を測定できること,どこにでも存在する砂粒を用いて測定できることが特長です.


測定原理:光ルミネッセンス年代測定の場合は光を当てずに試料採取をし,暗室で前処理を行います.試料を測定機内で光または熱で励起しルミネッセンス強度を求めたあと,既知のX線をあてて放射線に対する試料の応答性から蓄積線量を求めます.このような測定機は国内には数えるほどしかありません.

なお年間線量は,本学の別の装置(ガンマ線スペクトロメトリー,XRF,ICP-MSなど)を用いて,地中の U,Th,Kの含有量から求めることができます.