中川用語集
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日界 (boundary of a day)
1日を区切る時刻を日界と呼ぶ。1日として常用日を採用しているわが国の気象統計では、通常は日本標準時による24 時(2400JST)を日界とする。日界(即ち24時)の観測値は両日の観測とせず、当日の観測としてのみ記録される。気象学では、通常、前10分間の観測値の平均値を当該時刻における観測値とするので、24時の観測値は23時50分〜24時00分における平均値を意味するので、上記の措置は当然の措置と判断できる。
日変化 (diurnal variation)
 24時間を周期とする気象要素の変化を日変化、その変化の幅を日較差と呼ぶ。気象要素に24時間を周期とする変化が生じる原因は、太陽の日周運動にある。太陽の日周運動に伴って、全天日射量が変動するのが引き金となり、地表面熱収支が日変化し、その日変化が地表面近傍の大気下層や土壌上層に伝播する。日変化が生じる大気最下層は大気境界層と呼ばれる。
日没 (sunset)
太陽が天空から西の地平線下に沈むこと。日の入りとも言う。通常の天文学的な計算においては、太陽の中心(日心)が地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)を超える瞬間、即ち、太陽高度角がゼロの瞬間を日没とする。太陽高度角αは、

sinα=sinφsinδ+cosφcosδcos(h)

により定まる。ここで、φ;観測地点緯度、δ;当該日の太陽赤緯、h;
時角である。日没時は太陽高度αがゼロであるので、日没時の時角をH(>0)とすると、

0=sinφsinδ+cosφcosδcos(H)

なので、
日出時の時角Hは、

H=tan-1(-tanφtanδ)

である。
しかしながら、厳密には、太陽の光球の上端が眼視地平線に達した瞬間が日没である。太陽高度角αの式を太陽高度αで微分すると、1rad太陽高度の太陽高度変化に要する時角変化

dh/dα=-cosα/{cosφcosδsin(h)}

が得られる。日出時にはα=0
、およびh=H90°だから、上式は、

dh/dα≒
-1/{cosφcosδ}

となる。即ち、日没時近傍の太陽高度変化に要する時間は、低緯度ほど小さく、春分の日秋分の日に最小となり、最小値の時は、太陽高度の変化と時角の変化が等しい。時角1秒に対応する時角は0.0028°(=15°/3600秒)なので、日出時刻を正確に推定するためには、太陽の光球の上端が眼視地平線に達した瞬間の地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)上の太陽高度角を0.001°の精度で見積もる必要がある。
 太陽の光球の上端が眼視地平線に達した瞬間の地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)上の太陽高度角は、

−眼高差−大気差−視半径+地心視差

である。
眼高差
は、観測者が海面より高い位置にいることおよび地球大気中の光の屈折による地平線高度角の減少である。眼高h(m)の時の地平距離が

√(13h) (km)

と近似されるので、眼高差

tan-1{h/(1000×√(13h)}

と見積もれる。h=4.6mとすると、約0.034°である。勿論、h=0mであれば、眼高差は存在しないことになる。
大気差は地球大気外からの光線の屈折による太陽の高度角の減少である。太陽の位置計算の際の大気差補正を行うための近似として以下のようなものが提案されており、太陽高度0°の大気差は0.482°(=1735/3600)と見積もられる。

太陽高度

大気差補正の近似式 (°)

85° to 90°

0

5° to 85°

-0.575° to 5°
< -0.575°

(http://www.106.us/gb/astro/Solar/より)
眼高差
および大気差は、いずれも、眼視地平線を天文学的地平線より低下させる。
視半径は地球から日心と太陽光球上端を見込む角である。日出時の太陽高度は太陽光球上端より視半径だけ減少する。地心太陽距離が約1億4960万kmあるのに対して太陽の光球の半径は約69万kmなので、太陽の視半径は約0.264°(=tan-1(69/14960)であるから、日没時には日心は眼視地平線下約0.264°に位置する。
地心視差は、地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)上の太陽高度角と観測者の眼を通る天文学的地平線上の太陽高度角の差である。地心太陽距離が約1億4960万kmあるのに対して地球の半径は約0.637万kmなので、地心視差は約0.002°(=tan-1(0.637/14960)であるから、観測者の眼を通る天文学的地平線上で太陽高度角がゼロの時、地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)上の太陽高度角は+約0.002°である。
以上を総合すると

−眼高差−大気差−視半径+地心視差

の値は約-0.8°になる。即ち、日没時刻は太陽の中心(日心)が地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)を超える瞬間より3分強遅いことになる。

 

日出 (sunrise)
太陽が東の地平線から天空に出てくること。日の出とも言う。通常の天文学的な計算においては、太陽の中心(日心)が地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)を超える瞬間、即ち、太陽高度角がゼロの瞬間を日出とする。太陽高度角αは、

sinα=sinφsinδ+cosφcosδcos(h)

により定まる。ここで、φ;観測地点緯度、δ;当該日の太陽赤緯、h;時角である。
日出時は太陽高度αがゼロであるので、日出時の時角をH(<0)とすると、

0=sinφsinδ+cosφcosδcos(H)

なので、
日出時の時角Hは、

H=-tan-1(-tanφtanδ)

である。
しかしながら、厳密には、太陽の光球の上端が眼視地平線に達した瞬間が日出である。太陽高度角αの式を太陽高度αで微分すると、1rad太陽高度の太陽高度変化に要する時角変化

dh/dα=-cosα/{cosφcosδsin(h)}


が得られる。日出時にはα=0
、およびh=H-90°だから、上式は、

dh/dα1/{cosφcosδ}

となる。即ち、日出時近傍の太陽高度変化に要する時間は、低緯度ほど小さく、春分の日秋分の日に最小となり、最小値の時は、太陽高度の変化と時角の変化が等しい。時角1秒に対応する時角は0.0028°(=15°/3600秒)なので、日出時刻を正確に推定するためには、太陽の光球の上端が眼視地平線に達した瞬間の地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)上の太陽高度角を0.001°の精度で見積もる必要がある。
 太陽の光球の上端が眼視地平線に達した瞬間の地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)上の太陽高度角は、

−眼高差−大気差−視半径+地心視差

である。
眼高差
は、観測者が海面より高い位置にいることおよび地球大気中の光の屈折による地平線高度角の減少である。眼高h(m)の時の地平距離が

√(13h) (km)

と近似されるので、眼高差

tan-1{h/(1000×√(13h)}

と見積もれる。h=4.6mとすると、約0.034°である。勿論、h=0mであれば、眼高差は存在しないことになる。
大気差は地球大気外からの光線の屈折による太陽の高度角の減少である。太陽の位置計算の際の大気差補正を行うための近似として以下のようなものが提案されており、太陽高度0°の大気差は0.482°(=1735/3600)と見積もられる。

太陽高度

大気差補正の近似式 (°)

85° to 90°

0

5° to 85°

-0.575° to 5°
< -0.575°

(http://www.106.us/gb/astro/Solar/より)
眼高差
および大気差は、いずれも、眼視地平線を天文学的地平線より低下させる。
視半径は地球から日心と太陽光球上端を見込む角である。日出時の太陽高度は太陽光球上端より視半径だけ減少する。地心太陽距離が約1億4960万kmあるのに対して太陽の光球の半径は約69万kmなので、太陽の視半径は約0.264°(=tan-1(69/14960)であるから、日出時には日心は眼視地平線下約0.264°に位置する。
地心視差は、地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)上の太陽高度角と観測者の眼を通る天文学的地平線上の太陽高度角の差である。地心太陽距離が約1億4960万kmあるのに対して地球の半径は約0.637万kmなので、地心視差は約0.002°(=tan-1(0.637/14960)であるから、観測者の眼を通る天文学的地平線上で太陽高度角がゼロの時、地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)上の太陽高度角は+約0.002°である。
以上を総合すると

−眼高差−大気差−視半径+地心視差

の値は約-0.8°になる。即ち、日出時刻は太陽の中心(日心)が地球の中心を通る天文学的地平線(天の地平線)を超える瞬間より3分強早いことになる。

日射 (solar radiation)
太陽放射のこと。太陽の光球方向から来る平行光線を直達日射、太陽の光球以外の方向からする日射を散乱日射、と特別し、両者を合わせた場合には全天日射と呼ぶ。
ニュートンの冷却式 (Newton's law of cooling)
物体の温度θがその平衡温度θ*から外れている場合の物体の温度の時間変化dθ/dtは、その物体の温度の平衡温度からの偏差θ-θ*に比例するという法則で、次式

dθ/dt=-α(θ-θ*

と表せる。ここで、αは比例定数である。この微分方程式の解は、

θ=θ0+0*e-αt

となり、物体の温度は指数関数的に平衡温度に近づく。αの逆数1/αは熱時定数と呼ばれ、平衡温度へ収束する早さの指標として用いられる。



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