中川用語集
用語集Topへ戻る前に戻る 
  中川清隆ホームページTOP      →わ   


惑星 (planet)
 惑星は、元来は、天球上をさまようように動く星という特徴だけから定められた用語であったが、チェコのプラハ開催の国際天文学連合(IAU)総会が2006年8月24日に策定した新たな定義では、
 (a) 太陽の周りを回り、
 (b)十分大きな質量を持つので、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、
 (c) その軌道の近くでは他の天体を掃き散らしてしまいそれだけが際だって目立つようになった
天体として定義される。この新たな定義により、従来太陽系第9番惑星とされていた冥王星が惑星から除外され、太陽系惑星は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つとなった。
惑星アルベド (planetary albedo)
 大気上限に於けるアルベド。これに対して大気下限におけるアルベドを地表面アルベド(surface albedo)と呼ぶ。通常、人工衛星軌道上で測定される入射短波放射フラックス密度に対する反射短波放射フラックス密度の比率(the ratio of reflected-to-incident shortwave flux density at the top of the atmosphere)として求められるので、観測アルベド(observed albedo)と呼ばれることもある。実際には、入射フラックスは計算で求める場合が多い。惑星アルベドは時間と空間の関数であり、雲と地上被覆の特性に特に依存する。地球全体に対する長期間の平均惑星アルベドは約0.31である。
惑星渦度 (planetary vortisty, earth vortisty)
 地表面が宇宙空間に対してもつ鉛直軸の周りの平均回転角速度の2倍の値を惑星渦度または地球渦度と呼ぶことがある。即ち、惑星渦度ζp

ζp=2Ωsinφ

と表される。ここで、Ω;地球の回転角速度(=7.292×10-5rad/s)、φ;緯度である。これは、コリオリのパラメータfそのものであるから、

ζp=f

とも表現できる。自転している地球上に位置する地球の表面を含む総ての物体は、地球と一緒に宇宙空間に対して回転運動をしている。従って、重力線に沿う鉛直軸に垂直な平面として認識される地表面は、地球の自転の影響を受けて常に鉛直軸の周りを回転しており、その大きさは、

Ωsinφ

で表されることになる。渦度は回転角速度の2倍なので、惑星渦度は地表面回転角速度の2倍ということになり、地球上で緯度を変更した物体は、地表面から見た渦度が変化していなくても宇宙空間から見るとその渦度が変化したことになる。

 

中川用語集            →わ